四神相応とは
古代中国では、東西南北の4つの方向に、野獣のような姿をした神がいると考えられていました。風水においては、この4つの神にちなんで建物や家の立地場所を選ぶことが推奨されています。
四神(しじん)
四神(しじん)とは、古代中国で東西南北の4つの方向にいるとされた神です。
聖獣
四神は、中国の神話に登場します。神といっても珍獣のような姿をしており、いわゆる「霊獣」(聖獣)です。
それぞれ名前がついていて、東にいるのが「青龍」(せいりゅう)です。西にいるのが「白虎」(びゃっこ)。南が「朱雀」(すざく)。北が「玄武」(げんぶ)です。
四神は、それぞれの担当する方角において人間たちを守ってくれています。
地形にあてはめた
風水では、この4つの神の配置もとに、理想的な土地を追求しています。
それぞれの神を特定の「地形」に置き換えたうで、その地形の条件を備えた場所こそが、理想だと考えているのです。
理想的な立地
東の青龍は「川」です。西の白虎は「大きな道」です。南の朱雀は「平野、池・沼」です。北の玄武は「山」です。
そして、この立地条件をそなえた場所を四神相応(しじんそうおう)と呼びます。四神相応こそが最高の「吉」だと考えられています。
方角 | 神 | 似ている動物 | 地形 |
---|---|---|---|
東 | 青龍(せいりゅう) | 竜 | 川 |
西 | 白虎(びゃっこ) | トラ | 大きな道 |
南 | 朱雀(すざく) | 鳥 | 平野、池・沼 |
北 | 玄武(げんぶ) | 亀とヘビ | 山 |
都の立地
昔の中国や日本の権力者たちは、どこに都を定めるべきか、熱心に研究を重ねました。
皇帝や貴族たちにとって、王朝や一族を末永く繁栄させることは極めて重要な問題であり、なるべく好ましい場所に宮殿を建て、先祖を埋葬しようとしていたのです。
そして、風水の四神相応を参考にしたといいます。
京都の平安京
京都の平安京は、四神相応に則した都市とされます。
東に鴨川、西に山陰道、南に巨椋池と平野があります。北に船岡山や鞍馬山(くらまやま)があります。(吉川秀幸)
方角 | 立地 |
---|---|
東 | 鴨川 |
西 | 山陰道 |
南 | 巨椋池 |
北 | 船岡山、鞍馬山(くらまやま) |